外観、実射性能ともに申し分のない 【VFC】MP5Kガスブロ(レビュー)

トイガン
VFC製のMP5Kガスブローバック・サブマシンガン(初期型のロアレシーバーを使用したモデルで、セレクターレバーのS・E・F はドイツ語で「安全」「単射」「連射」の頭文字が使われている)

『沈黙の戦艦』や『ダイハード』など、アクション映画ではおなじみのMP5。第2次世界大戦後に設計・製造された短機関銃としては、最も成功した銃と言われ、命中精度の高さから対テロ作戦部隊の標準装備となっています。

今回はこのMP5のコンパクトモデルであるMP5Kをガスブローバックガンとして見事に再現したVFCの『H&K MP5K』ガスブローバック・サブマシンガンについて見ていきたいと思います。

現代サブマシンガンの代名詞

MP5は、ドイツのH&K(ヘッケラー&コッホ)社が設計した短機関銃で、その起源は第2次大戦末期に同国のモーゼル社が開発したStG45までさかのぼります。

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StG45
引用元: https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=83081691

このStG45は、ドイツ国防軍に採用されたものの、量産前に終戦を迎えました。

戦後になりモーゼル社にいた技術者の一部は、フランスやスペインなどの銃器メーカーに転職して、StG45をもとにした小銃の開発を継続していましたが、同じモーゼル社を退職したエドムント・ヘッケラーとテオドール・コッホ、アレックス・ザイテルが1949年に設立したH&K社も、このStG45をもとにした銃器製造に参入しMD3を開発。

このMD3は、後にG3として戦後のドイツ連邦軍に制式採用されます。

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G3(初期型)
引用元: https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=21539599

これと並行して、連邦軍では短機関銃の選定も行っており、当初はイスラエル製のUZIが採用されていましたが、1960年代に入ると連邦国境警備隊や州警察といったドイツの警察組織において、大量の短機関銃の需要が生じました。

UZI
UZI
引用元: https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=27798336

これにH&K社が応えて1964年からG3小銃の短機関銃版の開発に着手することになります。

そして完成したのがHK54。

この量産型が1966年に開発され、MP5と名付けられました。

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MP5
引用元: https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=20303858

1977年のルフトハンザ航空機人質事件で、ドイツ連邦警察の対テロ特殊部隊(GSG-9)が人質全員を無事救出したときにMP5が使用され、また1980年にロンドンで発生したイラン大使館占拠事件でもイギリスの特殊空挺部隊(SAS)が突入し、このときもMP5が使用され、テレビ中継に映ったことで一躍この銃を有名にしました。

現在MP5は対テロ作戦に欠かせない銃として、湾曲ストックやサプレッサー(消音機)標準装備型など様々な派生型が製造され、要人警護向けのコンパクトモデルとして開発されたのが今回のMP5K(Kはドイツ語のKurz「短い」の頭文字)になります。

リアルな外観で定評のVFC製エアガン

VFC(Vega Force Company)は台湾にあるエアガン・メーカーで、H&K社やコルト社など実銃メーカーのライセンスを取得して製品を開発・製造しているため、外観のリアルさに定評があります。

その例に漏れず、今回扱ったMP5Kもパッケージから銃本体の外観まで非常にリアルで、補足説明以外、VFCのロゴが一切入っていないという徹底ぶりに驚かされました。


VFC MP5Kのパッケージ
H&K社のロゴや、NO COMPROMISE
「妥協しない」
(もともとドイツ語のKeine Kompromisse)
という同社のモットーがそのまま書かれている


パッケージの中身、銃本体にマガジン、BB弾用ローダーが
入っている


取扱説明書、ホップアップ調整の補足説明書、取扱注意書き

銃本体にも、VFCというロゴが一切入っておらず、マガジンキャッチ上部のレシーバー右側に「MADE IN TAIWAN」という小さいシールがわずかに貼ってあるだけです。


グリップ以外は実銃同様に金属パーツを使用し、製造
工程も実銃を踏襲しているため、外観が非常にリアル
なVFC製のMP5K


MP5Kの銃口付近、フォアグリップを握った手が銃
口側に行くのを防ぐための出っ張りが見える


マガジン上部も本物のような感じにできている

 説明書は日本語に対応していない

このVFC製品は直輸入したもののようで、取扱説明書は英語、ドイツ語などがページ・カテゴリー別に書かれており、最初は戸惑いますが書かれている図のとおり取り扱えば問題なく使用できます。


取扱説明書の図に従って取り扱えば、問題なく扱える

また別冊の取扱注意書のみ中国語で書かれており、意味は分からなくても、おそらく他のエアガンの注意書きのように「対象年齢」や「人に向けない」「弾を発射するとき以外は、トリガーに指をかけない」などのことが書かれていると思われます。


取り扱いの注意書きだけ、中身が中国語で書かれている

BB弾やクリーニングロッドは付属していない

国内のエアガン・メーカーの製品と異なり、BB弾は付属していません。

東京マルイの6㎜0.2gBB弾などを使用しましょう。付属のBB弾用ローダーを説明書の図に従って使うことで、簡単にマガジンにBB弾をセットできます。

またバレル・メンテナンスや弾づまりの際に使用するクリーニングロッドは付属していないので、他のガスブローバックガンのクリーニングロッドを使用するか、6㎜BB弾エアガン専用のクリーニングロッドを別に購入して用意しておくことをお勧めします。

故障修理・部品交換などの保証がないことに注意

VFCのエアガンは海外製ということで、公式ホームページにも書いてありますが、故障修理・部品交換などの保証はありません。

故障や部品交換が必要な場合は、購入店で修理や部品交換をしてもらうか、自分で修理してくださいとのことです。

でも、説明書に書いていないようなイレギュラーな使い方をしない限り、内部パーツも全金属性なので、そう簡単に壊れることはないでしょうから、説明書通りに取り扱いを行っていれば問題ないでしょう。

実射性能は快調

サブマシンガンでは珍しく、クローズドボルトで連射速度もほどほどのMP5Kですが、その分安定して射撃ができ、サイトが大きめなのもあってフルオートで撃っても狙いやすいです。

実銃同様に金属部品を使っており、本物に近い約2.3㎏の重さがあり、ズッシリ来る半面、撃った時の反動であるリコイルショックもほどほどに感じられ、撃ち甲斐があります。

これは製品の個体差によるのでしょうが、今回扱った新品はマガジンの出し入れが結構固く、その点だけ取り扱いに少し難があります。

もっとも、これは使用してマガジンの出し入れをしているうちにスムーズになるので問題ありませんでしたが、入りにくいからと思いっきりマガジンを叩きこむと破損の原因になる可能性があるので注意が必要です。

また、マガジンにガスを注入すると、満タンの吹き出しまで「シュー」という注入音が聞こえなかったり、セミオートでは「3点バースト」(動画では聞き取れないですが)のような独特の発射音が聞こえるなど、国内エアガン・メーカーの製品にはない特徴があるものの、セミオート・フルオート射撃ともに問題なく快調でした。

エアガンでは定番の東京マルイMP5電動ガンは、射撃などの動作性能が気温に左右されない安定性がありとてもいいのですが、やはりガスブローバックガンのリアルさや銃本体のズッシリとくる重量、そしてほどほどのリコイルショックが感じられるVFCのMP5Kは、何よりもたまりません。

まとめ

世界各国の対テロ特殊作戦の標準装備として、現代サブマシンガンの地位を確固たるものにしたMP5。そのコンパクトモデルであるMP5Kを外観・実射性能で見事に再現しているVFCのガスブローバックガン。

ライフルのようなストックがなく取り回しがよいので、アクション映画ではテロリストに多用されるなど、不本意な点はありますが、それだけサブマシンガンといえばMP5Kという地位を確立している証とも言えます。

実銃と違い敷居が低いエアガンにおいて、お座敷シューターでも、サバゲーでも取り回しがよく、命中精度も高いこのMP5Kを使用して、ぜひスポーツシューティングを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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