「PTA解散 常識を覆す組織運営とは」は、生徒主体の行事にも応用できそう

学校
学校の運動会おなじみの競技「玉入れ」を行う子どもたち

「PTAを解散した」。そんな学校があると知って驚いた。改革さえ難しいと言われているのに。PTA活動はもともと、専業主婦が担うことを前提としていた。共働き家庭が増加した現在では、時代遅れ感が否めない。なり手不足も深刻だ。

毎年春が近づくと新年度の役員決めが始まり、多くのしこりを残す。義務感だけで引き受けたり、半ば強制的に役を割り当てられたりする人も多い。(中略)そんな現状を打破し、新しいPTAの在り方を求め、保護者が無理なく参加できる組織の在り方を進めた二つの小学校を訪ねると、”常識”を覆すような運営がなされていた。

引用元https://news.yahoo.co.jp/articles/490563c18d28aa0216425e50213ec396fc901e04

このようにPTAは、強制参加・役割あてで多くの人が「嫌だな」と思いながらも、義務感で参加しているのが多くの現状です。

しかし、このコロナ禍をきっかけに大津市立志賀小のPTAでは業務を見直したところ、「LINEのやり取りで済む用事にわざわざ集まっていたりしたという」「違和感を抱いた。時代に合っていなかった」といいます。

そこで保護者にアンケートを取り、広報など当時の委員会をすべて廃止にしたそうです。一方、図書館など保護者の交流の場となるサークルは残し、過去のPTA役員の理解も求めました。

そしてPTAを廃止して結成したのが、「運営は自主的な意思の下で行う」「誰もが参加しやすい会を目指す」保護会の「はなぞの」会だそうです。運営メンバーは立候補で集まった人たちで、運営もボランティアというかたちで保護者を募り、活動しているとのこと。

もう一つの事例は、京都市立岩倉北小。こちらはPTA組織を維持したまま運営方針を大きく変え、毎年恒例のハイキングの運営や、サツマイモ栽培の手伝いなど、ボランティアを募り、もしも集まらない場合は中止もありえるとしています。

また同小のPTAでは2020年度から退会できる規定を設け、1年ごとにPTA加入の意思確認を始めたといいます。導入前はほぼ100%だった加入率が、2022年度は65%に減ったものの、無理な加入が減り、主体的に関わる保護者が増えたと言います。

義務・強制の役回り、そもそも必要?

PTA改革の2つの好事例を見てきましたが、参加している保護者は「義務感ではなく,いいなと思ってやっているので楽しい」とのこと。

このような事例は、生徒主体の学校行事にも応用できるのではないでしょうか。

例えば私が小学生だった時思い出すのは、教室の整理整頓や、花壇の水やりなど何かしら強制的に役回りを決めて、生徒一人ひとりをそれに当てはめてやっていたので、本当に嫌だなという思いでやっていました。

もちろんすべて役回りを決めないということは無理でしょうが、そもそも手が挙がらない役割や行事は、アンケートを取るなどして中止を含めた見直しを検討してもよさそうです。

行事も生徒が主体的に決めるものがあってもいい

また、アンケートで生徒に何がやりたいのかを聞いて、教室の役回りや行事も生徒主体の活動を行っていくということも考えられるでしょう。担任の先生などは必要最小限の助言を与えるのみで、活動方針も生徒に任せる。

また、ブラック校則と言われる「その校則って、いったい誰のため何のためにあるの」という無意味な校則などについても、話し合う機会になるでしょう。「わが校の伝統だ」とか「きまりだから」とかいった無意味な理屈ではなく、本当に必要なのかどうかということを当事者の生徒が話し合うことが大切になってきます。

そうすることで、生徒が自分から役回りや学校の行事に参加することにより、主体性や考える力も自然と身につくはずです。

先生の業務改善にもつながる

このように生徒の役割や学校行事の必要性も一つ一つ見直し、できることは生徒に任せる主体的な学校運営を行えば、残業が多く今や休む暇さえないといわれる先生の業務改善にもつながっていくでしょう。

このPTA改革の好事例を、生徒主体の学校行事や先生の業務改善にもつなげることにより、本当に良い学校運営、生徒にも思い出に残る学校生活になっていくはずです。

PTAの活動にせよ、学校行事や先生の業務にせよ、大変なことがあっても全く嫌々、意味の分からない状態でやっていては物事が進みませんし、何より「自ら考え行動する」という、これからのAI時代にますます求められる生徒の主体性も身に付きません。

そういった中で、このように自ら楽しんでPTA行事ができる学校が増えることは、学校改革、教師の働き方改革にもつながり、教育界全体にとっても、この「下からの教育改革」は良い影響を及ぼしていきそうだと個人的には感じました。

 

 

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