宮崎駿監督 初の長編監督映画
『ルパン三世 カリオストロの城』は、誰もが知っている「ルパン三世映画」の名作ですが、1979年の公開当時はまだ無名だった宮崎監督による初の長編監督映画です。ちょうど今日5月5日の『金曜ロードショー』での放送に合わせて、この作品の魅力について、いち視聴者の視点から見ていきたいと思います。
視聴者の視点からの面白さ
私が小学生の頃、ビデオ録画した『ルパン三世 カリオストロの城』は、学校から帰ってきて観たのはもちろん、風邪をひいて学校を休んだり、早退した時も、この作品を見たものでした。
この作品を見ていて、なぜこんなに何回も見てしまうのか、当時の子どもだった私なりに感じたことは、作品中の話の展開、そのテンポの良さが挙げられるのではないでしょうか。最初の金庫から大金を盗むシーンや、カーチェイス、城の塔に閉じ込められたクラリスを助け出すための大ジャンプなど。
子どもが見ても、そのテンポの良さで飽きさせない工夫が随所に見られます。
大人のアニメを踏まえつつ、子供も観ることのできる作品
さらに、この作品を大人になって改めて見ると、その他の魅力にも気づきます。宮崎駿監督ならではの絵の細かさ、ルパンや次元、富士子などの登場人物の身体的なバランスの良さなど。
その前年の作品である『ルパンVS.複製人間』は、ストーリーは面白いですし、私の好きな作品の一つですが、ルパンなどの登場人物の手足が異常に細かったり、表情などの点で、やはり個人的には『ルパン三世 カリオストロの城」の方が好きです。
ルパン三世アニメは、基本的に大人が見る作品として作られていますが(実際 『ルパンVS.複製人間』では、富士子の裸シーンなど、際どいシーンがいくつかある)、『ルパン三世 カリオストロの城』では、大人のアニメという基本は踏まえつつ、登場人物である、ルパンとクラリスの昔の淡い思い出や、下心なしにルパンが、伯爵に囚われの身であるクラリスを自由にしてあげるために奮闘する姿など、人の真心や、物事を諦めないという姿を、子供にも見せることができます。
まとめ
大人も子供も楽しめる『ルパン三世 カリオストロの城』。ここには書ききれなかった魅力も、今日の『金曜ロードショー』をご覧になって、ぜひ発見してみてください。映画終盤、クラリスの世話係の老人と、銭形警部の心憎いセリフに注目してみるのも、よいかもしれません。
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