2023年10月13日公開の岩井俊二監督の最新作『キリエのうた』の新キャストが、今月11日完成報告イベントで発表されました。
7/11に完成報告イベントがありました!
— 映画『キリエのうた』公式 (@kyrie_uta) July 13, 2023
今日1日かけて、裏側などをお届けしていくので楽しみに!#キリエのうた#アイナジエンド #松村北斗 #黒木華 #広瀬すず pic.twitter.com/dtqs8NfQnM
当初からのキャストである主演のアイナ・ジ・エンド、松村北斗、黒木華、広瀬すずに加え、追加キャストとして、村上虹郎、松浦祐也、笠原秀幸、粗品(霜降り明星)、矢山花、七尾旅人、ロバートキャンベル、大塚愛、安藤裕子、江口洋介、吉瀬美智子、樋口真嗣、奥菜恵、浅田美代子、石井竜也、豊原功補、松本まりか、北村有起哉ら18人の豪華出演者が決定。
豪華俳優陣に加え、芸人や文化人も加え、どんな映画になるのか楽しみです。
そこで、今回は映画のあらすじや豪華出演者から、映画の展開を予想してみました。ぜひ最後までお付き合いください。
あらすじ
主人公のキリエ(アイナ・ジ・エンド)は、歌うことでしか声が出せない住所不定の路上ミュージシャンでした。そこにイッコ(広瀬すず)と名乗る女性が現れ、「なんか歌って」と言います。
イッコはかつて、キリエの高校時代の親しい先輩・真緒里であり、そのままキリエのマネージャーになると言い始めました。
あまり多くのことは語らないイッコに謎めいたものは感じつつ、彼女の好意に甘えることにしたキリエ。2人で路上ライブを仕掛け、徐々に熱心なファンも付き始め、オーディションの話も舞い込んできます。
と単なるサクセスストーリーかと思いきや、物語の背景には「東日本大震災」がありました。
イッコこと真緒里の高校時代に、彼女の家庭教師だった潮見夏彦(松村北斗)の「血のつながらない妹」として真緒里の前に現れたキリエ(本当の名は路花)は、震災によって家族と声を失ってしまいます。
夏彦と路花の2人に何があったのかは物語の中で次第に明らかになっていきます。さらに、キリエにはかつて恋人(豊原功補)がいましたが、その後別れていました。
家族と声を失い路上ミュージシャンとなったキリエ、そのマネージャーを買って出るイッコ、そしてキリエを探す夏彦や元恋人、別れと出会いを繰り返す4人の人生が交差する13年を描いています。
新キャストの談話(抜粋)
■夏彦の母・潮見真砂役:吉瀬美智子
今回お声がけいただき、岩井組に参加させていただけて本当に光栄でした。どうして私がキャスティングされたんだろう、間違えてないかなとドキドキしていましたが、以前から似ているといわれていた松村くんと親子役で共演できると聞いてとてもうれしかったです。■夏彦の父・潮見崇役:樋口真嗣
不詳樋口、俳優部として三度目の岩井組参加にして、今までと違う三つのチャレンジを年甲斐もなくできるだけ頑張らせていただき、改めて岩井組俳優部の皆さんの困難とそれを微塵も感じさせぬ姿勢に感服致しました。つけたまま帰ってしまった結婚指輪をお返しするのを忘れてましたので今度持っていきます。■真緒里の母・広瀬楠美役:奥菜恵
広瀬すずさんの母親役として出演させていただきました。岩井さん特有の現場の空気感に懐かしさを感じながらも、この作品世界の中にいられる幸せを感じながら撮影していました。 あの日失ったもの、捨てたもの。心と折り合いをつけるしかない孤独や、照らされた道を探し彷徨うそれぞれの抱える痛み。冷静に映画を観ていたはずの私も、映像美と音楽に惹き込まれ、気付けば心がポロポロ泣いていてしばらく声が出てきませんでした。■イッコの元恋人役:豊原功補
岩井監督の作品を観るたび、人の輪郭が物語の中に消えいりそうな、無垢な死生観みたいな感覚を受けておりました。果たして撮影時の岩井監督自信からもその輪郭線は明らかには見えず、浮遊する空気と時間の流れにいつしか裸にされているような未知な時間がありました。そこへアイナ・ジ・エンドさんの佇まいが輪をかけて亜空間を作り出していたことは疑いようがなく、曲の中に消え入ってしまうようなあの歌声からもやはり、あの2人は何らかの妖術を手にしているのだろうと勝手に推測しております。すてきな撮影現場でした。映画の完成を楽しみにしております。■イッコの元恋人のガールフレンド役:松本まりか
中学生の時、「リリイ・シュシュのすべて」のオーディションで岩井監督とお会いして22年。ひとときではありますが憧れ続けた岩井組への参加となりました。今作でのアイナさんの歌声、芝居、存在に、鳥肌と得もいわれぬ涙が何度もほおを伝いました。本物がここに存在した証なのだと思います。■加寿彦のパートナー・マーク・カレン:ロバートキャンベル
ワンシーンごとの撮影が、禅問答のように静かに流れる時間の中で行われたことを覚えている。演技指導はいっさいなく、俳優の心身に秘めた力をぐっと押し出すように、何度もテークを重ねていった。監督は厳しい表情を見せていない。代わりにもっと深い場所から、聞こえる人には聞こえる、魂を呼び覚ます大きな声を響かせている気がした。リズムの心地よく懐かしい一体感が、その日の午後にはあった。■キーボード奏者・日高山茶花(さざんか):粗品(霜降り明星)
岩井井監督とも撮影以来、久しぶりに再会できました。 毛量偉人やん!俺の知ってる60歳のなかで一番毛量多い!監督のロン毛を見て俺は髪の毛を切りました(笑)。 アイナさんにはいらんもんばっかり貰って、和気藹々とさせてもらってありがとうございます。引用元:https://webun.jp/articles/-/430487
新キャストの一部を見ても俳優、芸人、文化人と豪華キャストであることがうかがえます。
テーマは人生
13年にもわたる4人の人生の出会いと別れの物語。
路上ライブから、熱心なファンがついてオーディションの話も舞い込んでくる、というドン底からの単なるサクセスストーリーではなく、震災を背景にしたそれぞれの人生をテーマにした物語。
また、豪華俳優陣と芸人や文化人も加えた新キャストにより、「人生ってなんだろう」と奥行きのある物語で、観た後も深く考えさせられるような映画になると予想されます。
人生には、理不尽なできごとや災害など、ときに救いようのないことに遭遇することもあり、嘆くなどと生やさしい言葉では語れないこともあります。
しかし、アドラーの『嫌われる勇気』で、「人生とは、いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる連続する刹那」であり、気づいたら「こんなところまで来ていた」となるように。
あるいは「『いま、ここ』に強烈なスポットライトを当てよ」というように、今できることを真剣かつ丁寧にやっていくことが」結果的に人生の未来につながるのだと。
過去がどうであろうと未来がどうであろうと、今を真剣に生きる、ということをテーマにしているのではないかと推測されます。
『キリエのうた』は、こういった自分の人生に置き換えて、観た後も深く考えさせてくれる映画なのではないかと、個人的には想像して公開がより楽しみになりました。
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