エアガンを生産する会社として有名な東京マルイから、「グロック26」ガスブローバック・ガンが今月再販されたと聞いて、そういえば20年近く前の高校生のときに、お年玉で購入した同製品があることを思い出しました。
購入当時、試し撃ち程度に使用して、時折押し入れから出して眺めて満足していましたが、久しぶりに実射してみようと、東京マルイの「ガンパワー」を購入して撃ってみました。
さすが、銃のディティールはもちろん、実射性能を追求している東京マルイのガスガンだけあって、購入後、一度もメンテナンスしていなくても完璧に作動します。
「グロック26」は実銃同様の作動方式で、ハンドガンの中でも超小型でありながら、射撃時の反動やガスガン独特の音の迫力はたまりません。
ガスブローバック・ガンは、値段が1万円~数万円を超えるものが多いですが、その中でも「グロック26」は比較的手頃な値段で入手でき、小型かつ操作も簡単なので、ビギナーや男女を問わずオススメのエアガンです。
ハンドガンといえば、その正式名称を知らなくても多くの人が、「M1911A1コルトガバメント」を思い浮かべるかもしれません。
ハンドガンの定番、M1911A1コルトガバメント(ガスブローバック・ガン)
引用元:https://www.tokyo-marui.co.jp/products/gas/blowback/58
しかし、たまたま私の自宅にあったエアガンだということを差し引いても、現代銃の象徴たる「グロック26」を、ぜひおすすめします。
じゃあ、エアガンとして「グロック26」の何がそんなに良いのかについて、まずはグロック銃の簡単な歴史とともに見ていきたいと思います。
グロック銃の登場
1982年に行われたオーストリア軍のハンドガン制式採用トライアルにおいて、それまで銃器設計の経験がなかったグロック社が初エントリーにて、採用の座をさらったという逸話から始まります。
グロック社は、ガストン・グロックが1963年に創設した企業で、もとは機関銃用のベルトリンクや軍用ナイフなどを生産していましたが、銃器そのものの開発は行っていませんでした。
しかし、ガストン・グロックは趣味で射撃と銃のメンテナンスを楽しんでいたということもあり、1980年に始まったオーストリア軍のハンドガン採用トライアルをきっかけとして、長年温めてきたアイディアをもとに銃器の開発に乗り出したという経緯があります。
グロック銃は、初めは「P80」という名前でオーストリア軍に制式採用されましたが、その後この「P80」は「グロック17」と呼ばれるようになり、この拳銃を小型化した「グロック19」がつくられます。
グロック17Gen.4(ガスブローバック・ガン)
引用元:https://www.tokyo-marui.co.jp/products/gas/blowback/477
グロック19Gen.4(ガスブローバック・ガン)
引用元:https://www.tokyo-marui.co.jp/products/gas/blowback/488
この「グロック19」をさらに小型化したものが、今回紹介するガスブローバック・ガンのモデルである「グロック26」になります。
グロック銃の最小モデルである、グロック26(ガスブローバック・ガン)
引用元:https://www.tokyo-marui.co.jp/products/gas/blowback/49
グロック銃は、その他にも派生型がたくさんあり、中にはマシンガン同様の連射機能を備えた拳銃も存在し、現在では世界中の軍や警察で使用される拳銃となっています。
また制式採用には至らなかったものの、米軍や自衛隊でも一時期、「グロック銃」の制式採用が検討されたこともあります。
グロック銃の特徴
グロック銃は、銃のフレームやトリガーなどに、ガストン・グロック自ら発明した「ポリマー2」と言われるプラスチックを多用し、生産性の向上や軽量化に成功しています。
これは、それまでの軍用拳銃にはない革新的な試みで、銃の扱いやすさにもつながっています。
フレームのグリップ部も当然プラスチックなので、寒冷地で使用する場合、冷えた金属に指が張り付く事故を防いだり、銃に使用されている「ポリマー2」は、200℃から−60℃の環境下でもほとんど変質しないと言われています。
そもそも、ガスブローバックってなに?
グロック銃について見てきましたが、エアガンは初めてという人から、そもそも「ガスブローバック・ガンってなに?」と聞かれそうなので、そこも見ていきたいと思います。
ガスブローバック・ガンとは、引き金を引くとガスの圧力を銃の内部に伝え、その作用によりBB弾を飛ばすと同時に、銃上部のスライドが後退(ブローバック)します。そのスライドが元に戻るとき、次の弾の装填が行われ、これを繰り返すことで連続してBB弾が発射できるようになっています。
引用元:https://www.tokyo-marui.co.jp/guide/gas/
このガスブローバックの作動方式は、発射薬を使わない点や、薬莢排出がない点を除けば、実銃同様の作動方式で、1発ずつ手動でBB弾の装填をするエアコッキング・ガンや、銃の内部機構のリアルさにおいて劣る電動ガンにはないリアルさが魅力といえるでしょう。
グロック26のメリット
ガスブローバック・ガンとして今回紹介した「グロック26」の最大のメリットは、小型でとても扱いやすいことです。実際撃ってみると、予想以上にブローバックの衝撃が手に伝わりますが、銃の小型さゆえに、慣れてくると男女、ビギナーを問わず簡単に制御できるようになります。

動画のグロック26で実射した結果
久しぶりの実射で、まあまあといったところ
「デザートイーグル」などの大型のガスブローバック・ガンは、その圧倒的な存在感でとてもカッコいいですが、トイガンとはいえ、撃った時の反動が大きく、小柄な人(私もですが)やビギナーには扱いにくい銃といえるでしょう。
ハンドキャノンの異名をとる、デザートイーグル.50AE(ガスブローバック・ガン)
引用元:https://www.tokyo-marui.co.jp/products/gas/blowback/209
その点、「グロック26」は小型かつ外観が非常にシンプルで、そのシンプルさゆえ、操作がとても簡単です。
また、メンテナンスのための通常分解も、非常に簡単で、M1911A1のようにスライドストップを外さないとスライドを外せない銃とは異なり、一切の部品を外すことなくスライドを外すことが可能です。
【グロック26の通常分解】
①スライドを引いて、内部のハンマーを引き起こす
②スライドロックを押し下げる
③ ②を行いながら、スライドを前進させて外す
スライドを外したら、リコイルガイドやバレルを
外すことで、簡単にメンテナンスができる
グロック26のデメリット
「グロック26」のデメリットとしては、ストライカー方式といって、銃の後部にM1911A1のようにハンマーが無いため、外見上からは発射状態にあるのか分からないことです。
その対策として、実銃同様トリガーに安全装置が設けられているのと、この東京マルイ独自のセーフティーマニュアルが銃身底部にあります。
まあこれは、どのエアガンにも言えることですが、発射直前まで初弾を装填しないことが一番の安全対策です。
また、ガスブローバック・ガン同様に、実銃でもマガジン(弾倉)内で弾が2列に並ぶ「ダブルカラム方式」のため、小型のわりにはグリップ回りが少し太く、グリップの握りは問題ないのですが、手のひらの小さい人は、マガジンキャッチ・ボタンを押してのマガジンの取り出しが少し行いにくいかもしれません。
そして、銃が小型なので、マガジンもBB弾の装弾数が15発(実銃は10発)と少なく、すぐに撃ち切ってしまうことです。
これはスペア・マガジンが別途販売されているので、マガジン1つだとすぐに撃ち切ってつまらないという人は、スペア・マガジンを用意して楽しむと良いかもしれません。
ビギナーにこそ、オススメのモデル
「グロック26」は、現代的で角ばった形状から見た目が少しゴツく、何となく操作が複雑そうに見えますが、他のガスブローバック・ガンと比べて、とても簡単に扱えます。
また見てきたように、メンテナンスの通常分解、組み立ても簡単で、男女を問わずスポーツ・シューティングが気軽に楽しめ、個人的にもエアガンのビギナーにこそ、おすすめのガスブローバック・ガンといえます。
エアガンとか興味ないよという人も、ガスブローバック・ガン独特の反動や音、弾が的に命中した時の爽快感は、とてもストレス解消になりますので、ぜひ小型で扱いやすい「グロック26」で楽しんでみてはいかがでしょうか。
「グロック26」
- 価格:14,080円(税込み)
- 全長:165㎜
- 銃身長:73㎜
- 重量:570g(空のマガジンを装填時)
- 弾丸:6㎜BB弾(0.2~0.25g)
- 動力源:東京マルイ「ガンパワーHFC134aガス」または、「ノンフロン・ガンパワー」
- 装弾数:15+1発(1発は銃本体に装填した場合)
2023年8月4日に再販分の出荷
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